初恋の人について語る

初恋の人、というのは難しい。どの感情をもって初恋たるべきなのか、当時の物差しと今の物差しがあまりに違い、判断に困る。

 

思えば私は保育園、小学校低学年の時から淡い恋をしていた気がする。とはいえ保育園の時はセーラームーンごっこをするのに夢中だったし、当時気が弱かった私はマーキュリーの座をあっけなく他の女の子に奪われ、しょんぼりしていた。

 

小学校低学年の時は、幾つかの恋をした。好きな人ができるたび、家の隅っこに母を呼び、「おとうさんにはナイショじゃけどね、◯◯くんのことすきになった」と律儀に報告していた。そして次の日には何となくお父さんもそのことを知っている雰囲気を得た。おかあさん!ナイショって言ったのに!

 

小学5年生の時、転校してきた男の子に恋をした。背が高くてすらっとしていたから、それだけで好きになっていた。やがて手紙を交わし、両思いだと知ることになった。彼からもらった手紙は、ケロロ軍曹だったのを今でも覚えている。

 

だが、私にとって初恋と呼びたいのはこの次、小学6年生の時に好きになった人である。小学生というのはクラスメイトと担任の先生と家族の顔だけでいっぱいいっぱいになってしまうから、私は6年生で初めて同じクラスになった彼を、まるでその時初めて出会ったかのような衝撃と共に好きになった。

 

思えば彼とは保育園から同じで、家も信号を挟んでいるだけで10秒くらいで着くような、いわゆる「幼馴染」だった。よくよく見れば子ども会の集合写真にも一緒に写っているし、それまでに恋に落ちなかったのが不思議なくらいの距離感だった。

 

お互いの進路は小学校以来全く交わることはなくて、そりゃ私が女子校に行ったからどうしようもないのだが、それからすっかり疎遠になってしまった。

 

今は何をしているのだろう。あの時はとっっても恥ずかしかったし、きみもそういうキャラじゃなかったからあまり言えなかったけど、当時の私は、きみが中心に回っている世界に生きていました。

 

今だから言えるなんて格好つけて、お酒が無いと当時の話はできないかもね〜なんてふざけてみせて、こうして2度と会えないままお互いを忘れ、死んでいくのかもしれない。

 

自分のしょっぱい記憶、時には思い出さないとね。

 

今日のブログはすべてフィクションです。

 

今日聴いた曲:最&高/きゃりーぱみゅぱみゅ

今日の予定:ビールを飲むわよ