1ヶ月記念日

もう1ヶ月が経ってしまった。まだ1ヶ月、と言うべきだろうか。兎にも角にも、1ヶ月という時間が過ぎた。

 

きみが残して行った荷物を、ちょうど今日全てしまい込んだ。キッチングッズやビニール袋、一緒に出かけた時にKALDIで嬉しそうに買っていたフライドオニオンを、きみは8割ほど残して行ってしまった。

 

きみがバイト先から貰ったイブサンローランのリップ、そのギフトボックスを、未だに捨てられないでいる。贈り物とその周辺には気持ちが入っている気がして、どうにも処分しづらいのだ。そろそろ捨てないと、そう毎日思いながら私はピアスを選び、出掛けて帰ってくると忘れている。

 

きみが居なくなったのと同じ頃、恋人が忙しい時期に入ったから、その日にあった出来事を誰にも話さずに寝ることが増えた。寝るときはエアベッドで離れて眠るのに、起きてしばらく携帯を眺めた後私のベッドに突撃してくるきみを思い出して少し寂しくなった。

 

あれから1ヶ月が立ち、すっかり冷房が必要なくなり、時折空は不機嫌に雨を降らし、バイト先の店長も変わってしまった。一昨日は品が良いとは言えない夫婦に絡まれ、モヤモヤした気持ちを家から持ってきたほうじ茶で無理やり流し込んだ。

 

私が今日きみの荷物を全て片付けきったことは単なる偶然で、きみが今日電話しようと言ってきたことも単なる気まぐれだと本当に100%信じられるのだけど、それでも今日は1ヶ月経った日だし、私ときみには「やっぱり」となる部分があるのだと再確認して、信じられるような気がする。

 

唯一信じたくないことを挙げるとすれば、親友が留学に行って1ヶ月が経ったからといってこんなにメソメソした文章を書いてしまう、そんな私のメンタルである。

 

今日観た映画:「何者」

今日読んだ本:もういちど生まれる/朝井リョウ