ミーカの引き出す記憶について

私にとって就職活動というのはまだ心なしかこびりついているかさぶたのようなもので、触れると少しひやっとする部分である。

 

今の会社に入ったことでとても良い同期と先輩に出会うことが出来た。本当に、これからの人生でもずっと関係を持ちたいと思えるような人ばかりでつくづく恵まれていると思う。

 

もうすぐ2年目が終わろうとする今、やっと私は就職活動に後悔していないと言えるようになった。

 

私はもともと広告業界を目指していた。コピーライターになりたかった。ばりばりの広告マンになりたかった。なれなかった。

 

就職活動にて全落ちしたのが原因ではない。私の、私自身の読みがあまかった。適当すぎたんだな。

 

私の人生は、今まで結構「なんとかなって」きた。小学生の頃は勉強しなくてもクラスで1番を取ることも珍しく無かった。姉に憧れ(自分で言うのも憚られるが)名門女子校を中学受験し、補欠で合格した。その後あまり勉強はせず、大学受験では後期で何とか公立に滑り込む事ができた。3姉妹の末っ子という事もあり私立受験はNG、浪人もさせられない、なのに私は結構アホだったという背水の陣だったのだが、「なんとかなって」しまった。

 

だから当然、就職活動でも「なんとかな」ると思っていた。そして、夢破れた。そこまでの器用さは無かった。勉強と社会は違う。大きな挫折体験はこれが初めてだったかもしれない。

 

ここまで書くと悲劇のように思えるが、実際はそこまで暗い話でもない(そう言い聞かせたいだけかもしれないが)。

 

今私はコールセンターでオペレーターをしている。なぜこの仕事に就いたのか、自分でもあまりよく分からない。母が同じ職種で働いているが、特別憧れを抱いていたわけではない(尊敬はしている)。

 

だがしかし、採用されたというだけあって意外と適性はあったらしい。拾う神などと言ったりするが、神も拾う相手は見極めているのだろう。

 

正直言って、いまだに広告業界やその関連で働いている人を見ると少し苦しい。自分が簡単に諦めたその先の青い芝生で輝く人は、それはそれは眩しいものだ。

 

そこまで聞き分けの良くないわたしなので、もう少しこのコンプレックスとは付き合っていく必要がありそうだ。それでも良いか。私はいまとても楽しいし幸せだ。

 

この雑文は、就職活動の時によく聞いていたミーカの曲を聴いて呼び起こされた気持ちを書き留めたまでである。

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