お前らいつから好きになっとったん
映画やドラマで出会う男女は、たいてい最初は憎まれ口をきき、本当に嫌いなのだなと思わせる描写のあと、必ず熱いキスをするように思う。
こんなものを見続けていたら、出会う人すべて、恋に落ちる相手と言えるんじゃないかと錯覚しそうになる。
もちろん、映画やドラマは、数多くの出会いの中で作品として成り立つべく生まれた恋愛を抽出したものだから、出会う人すべてと恋に落ちると錯覚するのは早とちりである。
それでもやっぱり、助けてもらったり、関わらざるを得ない状況に置かれた男女はたいてい、好意を抱いてしまうものなのだろう。
「捨てないから俺を信じろよ」と、かつて言い放った男がいた。瞳を真っ直ぐに見つめて、ではない。少し声を緊張させながら、でもない。緑のフキダシに乗せて、LINEでちょこちょこっと送ってきた。
信じる信じないはこっちの勝手だからお前に決められることじゃない。というか捨てるとかいう上から目線は何なの。何も言わなくても信頼できるような相手だったら今こんなに苦労してない。
こうして私の友人は、男と別れた。
一度でも、お互いをお互いに好きだと思う瞬間ってとても貴重だと思う。なかなか、無いことだと思う。
それでもいつか、冷める日が来て、飽きる日が来て、また愛する日が来て、繰り返すのだろう。
みんなそれぞれみんなのことが好き、自分がいちばん可愛いのだから、人に「いちばん」を押し付けちゃいけないものだね。
今観ている少し重めの映画に影響され、愛について語ってみた。
今日も今日とて:死ぬほど眠い
もしかして:食べすぎ