お風呂の電気を消すということ

今日は帰省最期の晩、しっとりとお風呂に入っていた時、急に電球が切れた。

 

「ちょっ…え…?」

 

どうせ洗面台に来た母がふざけて消したのだろうと思ったが、洗面台の方に母の影はない。どうやら単純に電球が切れたらしい。

 

ちょうどあと少しで出るところだったのでまあいいかと気を取り直して仕上げにかかったその時、また電気がついた。なんじゃい。

 

かつて父の「ただいま」はお風呂の電気を消すことだった。

 

小さい頃、姉とお風呂に入っていたらいきなり電気が消えることがあった。「もー!とーさん!!!」とゲラゲラ笑いながら声をかけると、父は大抵何も言わずまた電気をつけてリビングへ戻った。

 

時には、シャンプー中で目を閉じている時に消されることもあった。その時父は、私から反応が得られるまでその場を立ち去ることができなかった。シャワーで泡を流し目を開いた瞬間、暗くなっている浴室には驚いた声がよく響いた。

 

曇りガラスだから当たり前ではあるが、扉越しに父の表情は見えない。それでもなぜか、電気を消して娘の反応を愉快に楽しんでいる父はたぶん満足げだったと思う。

 

最近は帰省しても、父がリビングでくつろいでいる間にお風呂に入っているので電気を消されることがなくなった。寂しくはないが、そういうこともあったなと懐かしくなった。

 

どちらかというと今は、父が消し忘れたお手洗いの電気を私が「とーさん!」とプリプリしながら消す方が多い。

 

今日したこと:コピーの勉強

改めて:母のご飯は最高だ