20181012 MONO NO AWARE 福岡

MONO NO AWAREというバンドがいる。

 

やたら顔の濃いボーカル、演奏中は目がイくギター、ボーカルのMCにクスリともしないポーカーフェイスのベース、演奏が力強すぎてメガネがずれがちなドラム。

 

わたしが彼らを知ったのは、学生時代アルバイトをしていたレンタルショップの先輩が「これいいよ」とCDを貸してくれたことがきっかけだった。

 

「人生、山おり谷おり」は明るいジャケットで、なんとなくきもちよさそうなポップを想像していた。聴いてみると案の定きもちよポップ。何度か流し聴きしているうちに、自ら何度もMONO NO AWAREを再生しているじぶんがいた。

 

時は流れ今年の8月1日。わたしの誕生日でもあったこの日、新しいアルバムが発表された。「AHA」である。

 

このアルバムを語るに欠かせない曲はなんと言っても「東京」。くるり大先輩だって、あのアーティストだって、散々歌ってきた東京を2018年になっても、平成最後になっても歌おうとするバンドがMONO NO AWAREである。

 

10月12日、今日私は彼らのライブに行ってきた。アルバムツアー、昨日のTetoゲスト出演に続いて福岡2日目。

 

相変わらずゆるゆるなMC、ぜったいに発声練習から入るライブ、『じゃあみんなで「OHO」って言いましょうか〜。…やっぱ「AHA」で!』そういうのって事前に決めとかないのか?最初のMCまで便所サンダル履いて演奏しちゃうくらいにはゆるくて、でもその流れに振り回されたいと思う。

 

GOLD SOUNDZ、Teto対バンとMONO NO AWAREのライブが3回目だったわたしはなんとなくのセトリもわかっていた。くるぞくるぞと期待して、マックスまで期待値が上がったところでバーーーーンと音が浸透してくるのが本当に気持ちいい。

 

そんな中でも、ボーカル玉置さんが地声で「そぉ〜れっ!」と言う合図で、いつもはソロ活動のように演奏しているメンバー4人がドラムを囲んで演奏を始める「東京」はやっぱり格別だ。

 

人間はうるさい生き物だから、黙っていると、静かにしていると、ぼーっとしていると、余計なことをたくさん考えてしまう。勝手に悲しくなったり、怒り出したりしてしまうこともある。そんな気持ちを、音楽は一瞬にして吹き飛ばして、お風呂上がりに扇風機に顔を近づけている時のような、ただ「気持ちいい」だけの気持ちにさせてくれるのだ。

 

いつもボーカルがひとりだけでお世辞にもスムーズとは言えない、ぽつぽつとぺらぺらと喋るMCをするのがお決まりなMONO NO AWAREだが、今回は彼が最初便所サンダルを履いているというハプニングによりサプライズがあった。

 

ぎ、ギター加藤さんが喋った…………!

 

「せいじゅんが話してくれます」という雑なパスの元、さも珍しくもなさそうに話し始めた加藤さん。昨日の物販でお話はしたし普通にしてるとただの目が大きい美青年って分かってるけど、でもやっぱ加藤さんが喋ると「喋ってる…!」ってなる。ほんとうにレアなんじゃないか?今回。

 

綾子さんやゆたかさんが喋る日が来たら、それはそれで幸せなんだろうなあ。たぶんすぐに玉置さんが喋っちゃうだろうなあ。

 

そういえば今日は、玉置さんが一張羅を着てくれていた。青と白の、某家具屋さんにしか見えないあのシャツである。いや、ほんとうに気合いはいってるやん最高…と思った。便所サンダル履いてたけど。

 

わたしとそこまで歳の変わらない、まだまだこれから売れていくであろうバンドなんだけれども、きっとわたしはこれからもずっと、サインを頂いたスウェットを洗濯するかしないか迷いながら彼らの音楽を聴き続けるのだろうな。

 

本当にありがとうMONO NO AWARE、入社してほんとうに仕事が辛かった時に、前を向いてずんずん歩ませてくれたのはあなたたちのお陰です。

 

対バンのTempalayも良かったのだけど、まだ不勉強なのでこちらは後日。ドラムのナツキさんが格好良すぎて一瞬でしゅきになった。

 

以上 セトリはわからんおぼえてない