歯が欠けている

大学生のころ、当時あった虫歯を1ヶ月かけて全て治したことがある。それはそれはお金と労力がかかる作業で、治した途端健診にも行かなくなってしまった。

 

先日、お弁当としてパエリアを会社に持って行った。フライパンで作ることのできる、独特の少し固い炊き上がりになるパエリア。シーフードを入れて真っ黄色な顔をしている。

 

食べていると見事に、詰め物が外れた。それはもう、びっくりするくらいあっけなく銀色の覆いが外れてしまった。

 

そこから私の歯にはぽっかりと穴が空いている。どうやって埋めればいいかも分からない、ただの空虚として穴が存在している。

 

ここ1週間ほど、全国に配属された同期が集まって研修を受ける機会があった。その後には海へ行くだけのイベントもあり、それはそれは毎日朝から夜まで笑い転げて過ごした。

 

それぞれの仕事は全く違えど、何かをやらかしたら「1年目」として同一の視点で評価を受けるちぐはぐさ、各々の責任とプライド、今後の目標、たくさんの話をした。

 

私はよく、同期から「辞めずにずっと会社にいそう」と言われている。それほど能天気に見えるのか、入社してから1番お客様に泣かされているのは私な自信があるぞ、なんて変なプライドを持ち出しながらも、その言葉が今の自分を支えてくれていると思う。

 

周りからの見え方で、その人の行いが決まることは沢山ある。「あれ?最近可愛くなったね」と言えば女の子は更に可愛くなるし、「やつれたんじゃない?ご飯食べてる?」と言われたら食欲は地の底へ落ちる。

 

私の欠けた歯は、誰からも見えない。楽しい時間を過ごした後に開いた心の穴も、見えずにそっとしたままだ。

 

要するに、そういうことなんだよ。そう。

 

今日:焼きそばパンが好物であると自覚

聴いた曲:Vampire Weekendのあれこれ