世間知らずの小生に告ぐ

ずっと働く日々が続いている。賑やかな毎日が始まるとのたまった日には気がついていなかったが、どうやら10連勤の真っ最中であるようだ。

 

先日アルバイトの帰り、ぼーっとしながらミートパイを買うかどうか迷っていたらいきなり電話がかかってきた。私に電話をいきなりかけて来る人物は2人いる。1人は、私がなにかを決めかねている時の母。帰省するかどうか、不動産をどう決めるか、色んな時に彼女のスイッチは突然入る。一度思いついたら突っ走ってしまう、そんなエンジンを母は抱えている。

 

もう1人は、ゼミの教授。この時は彼からの電話であった。彼に関しては、普段何分遅刻してゼミに行こうがにこやかに迎えてくれるのに対し、都合の悪いことはメールに残さず、電話ですべてを済ませてしようとするところがある。いたく正直で、学者ということもあり少し無神経なところのある彼からの電話はこうだった。

 

「みなさん(4年生)の中で、いちばん良いところに就職したのは誰ですか?」

 

これは参った。先生、これは4年生の内の1人である私に聞いてはいけない。そんなことを聞かれても、私のゼミはとにかく他人に興味の薄い人間ばかりだ。飲み会では良く話してもプライベート、まして就活について報告したりすることはまずないのだ。

 

ほかのゼミ生の進路を知らずそんなことを聞かれた私はなにも答えられず、私の会社も中小企業です、と答えておいた。あからさまにがっかりした声になる先生は、とても嘘がつける人じゃないなと可笑しく思った。

 

いつもは教えられてばかりだけれど、先生、これだけは私が教えてあげようと思います。事情があるとはいえ、就職先を有名かどうかで測るのはいささか不器用のなせる技です。Wikipediaに載っていようと、CMに往年の女優が出ていようと、はたまた誰も聞いたことがなかろうと、それが1人の人の人生なのです。人間の通る、道なのです。

 

怒ったわけではありません。悲しいわけでもありません。今の先生にとって、頭では分かっても完全に理解しやすいことであるとは思えないから。

 

いつか面と向かって先生にこういう文句を言えるように私、ちゃんと出世して、社長にでもなってみせます。お互い沢山、勉強しましょうね。

 

今日:バイト先の居心地が良いです

明日:運転!運転!車〜!