空気を読まない主にバス

約半年間、毎週のように通ってきた講座が今日終わる。最後の講座、最後の日。

 

この半年間それは色んな気持ちを経験して、例えば恥ずかしさ、悔しさ、惨めさ、勿論喜びも、幸せも、楽しさも、とても心が忙しい日々だった。

 

たぶん私はコピーライターになることはない。コピーライターになる為の努力を、今後するとは思えない。もっとやりたいことを見つけたと言ったら逃げているのと同じかもしれないが、コピーライターはあくまでも憧れだったことに、半年間、17万円かけて気が付いた。

 

私がコピーライターに興味を持ったのは、哲学の影響だろうと先日気が付いた。東京電通に併設されているアド・ミュージアムに行った時のことだ。それまで「何でこの講座受けようと思ったの?」と聞かれてうまく答えられなかった自分のことを見透かしたように、ぶわっと記憶の風が私の中を通り抜けた。

 

浅学甚だしい私は哲学に関する知識を持ち合わせていないも同然だが、昔から哲学者の思想を知ることが好きだった。思想を知ると言っても、例えば学校の教科書に「この人はこんな教えを…」だとかいった程度のもので、それでも哲学者の格言を聞くと、一気に世の中の見え方が変わったような気がして楽しかった。気持ちよかった。

 

哲学者、文学者、編集者、ライター、コピーライター、さまざまな変遷を遂げて色んなものを目指してきた。何者にもなれなかった私は、収まった場所でにこにこと笑っている。人生、そういうものらしい。

 

今日ぐらいは、気温は低くても許すから、せめて晴れていて欲しかった。天気は曇り、傘を持つか迷う程度の小雨、バスに乗るとファストフードのような独特な匂いが立ち込めている。バスのタイプはあまり見かけない旧型だし、珍しくカップルの乗車が多く何の気なしに目をやった女性たちは無意識に何かを警戒した目をしている。うるさい、だまれ、そっとしてくれ。

 

私は今、とても寂しいのだ。それは講座が終わることに便乗した別の寂しさかもしれないが、なんだか心がシクシクしている。

 

最後の講座には、遅刻せずに着けそうです。書き出したら止まらないけれど、とっても楽しい時間を過ごせる同期生でした。今日は、飲むぞー!明日は車校なんだけれどね。

 

今朝見た映画:アバウト・タイム

感想を一言:幻想かもしれないが結婚っていいな