仕事が無くて、家にいた

キャッチコピーとは共感の凝縮である。驚きの巣窟である。納得の嵐である。なんて偉そうな、と思われるかもしれないが、実際コピーは偉いと思う。

 

「有給取って、家にいた。」というコピーがある。私はコピーに関して不勉強な方で、有名なコピーライターの名前は覚えていない、CMを熱心に見てきたわけでもない、写経ならぬ写コピーも頓挫してしまっている、という有様なのだが、時々なぜか頭に残り続けるコピーがあって、いつまでも覚えている。

 

本来有給とは、たとえばどうしても親戚の結婚式があるだとか、実家の様子を見に帰りたいから取得するだとか、そういう例外的な日に使われるものだと思う。日本の有給取得率が他国に比べて低いのは、「いつ必要になるか分からないから」という思いが起因しているのではないか、といつかの新聞に書いてあった。

 

先に挙げたコピーがとても効いているなと思う点は、暗黙の了解をうまくついているところだと思う。本来みんな休みの日は何もしたくない。ただただぼーっとしながら適当に宅配弁当を頼んで、ずっと読めていなかった本をめくっているうちに眠るのが最高なのだ。

 

有給取った!バリバリいくぜ!さあ!何から始める!?的なテンションは必要ない。何もしなくていい。その結果が有給取って、家にいた。となるのがとても気持ち良いと思う。

 

今日は住んでいるマンションの消防点検があった。いつも最上階から点検は始まるので、最上階から1つ下の階に住んでいる私は今か今かとねむい目をこすって待っていた。

 

待っていたとは言うけれど、パジャマから着替えることなく、ただ布団にくるまっていただけだ。パジャマ姿で出た瞬間、少し大家さんに引かれた気がする。あれ、4年目なのにまだそういう距離感なのか、と反省した。

 

大学の講義のレジュメの整理をした。引っ越す際に持って行きたいと思うようなもののみ残し、残りは思い切って処分した。来月は解体した本棚を大型ごみに出す。溜まりに溜まっていた段ボールは昨日まとめて捨ててしまった。

 

そろそろ別れの季節がやってくる。もちろんその前に慌ただしい年末年始、学問の納めどき、新たな出会い、色々あるのだろうが、どうも少し寂しい気持ちになってしまう。

 

そうか、冬が来たのだ。これから、春の待ち遠しい時間が始まる。

 

今日:しっかり掃除が出来てすっきり

最近の美味しいもの:ハーゲンダッツのほうじ茶