酔わないビール、酔えない人事

華の金曜日、という言い方はいつからあるのだろうか。スーパーフライデーという概念が生まれ、形骸化したその姿はとてもツライデーな昨今に、華の金曜日。その華金に、内定式があった。

 

私の就活はなかなかにうまくいかず、それはそれは唐突に泣き出すような日々だった。

 

就活なんて二度としたくないと思う理由 - みんしのブログ

 

沢山の人が集まる内定式、いつもの如く人見知りを発揮しながら受付の列に加わった。タイミングを逃し、社交辞令的な話をする人もいない。ぽつーん。ああ、そういえばあるよな、こういう感覚…とぼーっと思っていた。

 

受付を済ませたあとは人事がグループ分けを教えてくれた。そこでも出会ったばかりの人が話すようなことを延々と話していた。さすが、営業系で採用されている子は話を振る力も聞く力もあるなあ…などと関心し、東京の大学からこんなところへ入るなんて…あの大学知り合いがいるけれど、模擬国連ってご存知かしら、そんなことを考えながら時間が過ぎた。

 

私の好きなライターさんが、新社会人のモチベーションのピークの1つは内定式である、というようなことを仰っていて、正直私はビビっていた。

 

だったら、そんなに期待せずに、ゆるっと頑張ればいいだろう…そんなふうにさえ思っていた。

 

実際、社長の話は3割ほどしか覚えていないし、印象に残っていたのは食事のあとに各テーブルについた役員の元へ内定者が飲み物だけ持って回っていく、お見合い回転寿司のようなシステムだ。

 

食事が始まってから私はずっとビールを飲んでいた。意外とみんなお酌しないんだな…父がA型であるためにバランスの良い泡の立て方を教わっていて良かったな…などと思いながら、ずっと飲んでいた。

 

結局2次会までずっとビールで通した。というより、とても気が利いて好感を抱いている人事が永遠にお酌をしてくれるから、飲み続けた。

 

彼女は一切飲んでいなかったので勧めてみると、役員が「飲ませちゃダメだよ、人が変わるから。入りたての頃なんて、社長に絡んでたんだから。」などと顔を赤くして愉快そうに話している。イイナァーッそういうの。私もお酒の力を借りて偉い人と腹を割って話したい。

 

帰り道、人事に「全然酔わないじゃん!」と言われた。酔えなかっただけなのだ。自分がこれから、どんな姿になるのか、どんな仕事をするのか、どんな可能性があるのか。全く分からない手探りの状態で、足元が見えなくなってきた。

 

すこし不安だ。ついていけるだろうか。埋もれず、他の人と比べて落ち込んだり、悔しい思いをしないよう伸びられるだろうか。

 

そんなことを考えながら眠りについたら、すべてを消化するのに10時間も睡眠が必要だった。

 

おかげさまでわたし、今はとても元気です。

 

今日のできごと:面倒ごとを片付けました

明日に期待すること:久しぶりに図書館で本を沢山借りる