宝くじに当たったら

この質問、けっこう難しい。気の利いたことを言えても、「さては準備していたな」と思われるし、つまらないことを言うと、その後のナニカシラを失った気になってしまう。そういう時は決まってお風呂なんかで「アッこう言えば良かったな」などと思いつくものだ。

 

さて、宝くじに当たったら何をしよう。今日、姉と話していて思い当たるものが見つかった。

 

高いと言うには少し物足りないが、賑わいはある。それでも平日は閑古鳥、あれよあれよとイオンや新型ショッピングモールに圧力をかけらている、まさにサンモールのようなショッピングモールを思い浮かべてほしい。

 

※サンモールが広島県民以外に伝わるとは思っていないが、雰囲気でこんな感じかなと察してほしい。

 

「閉店します。長らくのご愛顧、ありがとうございました。」途端に騒ぎ出す広島県民。「私が◯◯の頃からあるほい…」「あのコンパクトさが便利だったんじゃけどね…」なんて口々に言いだす。こういう時、消費者は必ず身勝手だ。

 

例に漏れず私も身勝手な消費者の1人である。サンモールには習い事の行き帰りに死ぬほど通ったというのに、西区にレクトが出来た途端「本が沢山の壁だぁ〜♡」と偏差値を6くらい低くしてはしゃいでいる。

 

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※本が沢山の壁。

 

サンモールが潰れることになったら、私は迷わず立ち上がる。クラウドファンディングやら何かしらで資金を集め、本通りの切れ目、大きな横断歩道の横でこう叫ぶ。

 

「みなさんの実家、みなさんのおじいちゃん・おばあちゃんち、みなさんの小中高、みなさんの部室。入った瞬間に、誰に言われるでもなく『あ、帰ってきた』と思える場所があると思います。私にとって、サンモールもそれです。サンモールも、入った瞬間、時代遅れな受付がある正面入り口、絶妙なセンスを誇る1階フロア、姿を消したクレープ屋さん、色んな思い出があり、『おかえり』と言ってくれる気がします。

 

私が初めて、カードゲームを買ったのはサンモールでした。なかなかマンガを買ってくれなかった母に、小説を買ってもらったのもサンモールでした。地下の中華屋さんで、制服で入るのは恥ずかしいなと思いながら天津飯を食べたのもサンモールでした。

 

私は大人になる前、正確には、大人になりたくないと思っていたけど大人になりかけていた頃、こんなことを思っていました。自分の大切な場所が失われそうな時、動ける大人になりたいと。難しくても、びくともしなくても、何かできる大人になりたい。そう、思っていました。

 

サンモールを、できるだけ長く、せめて私が死ぬまででもいいから、残してください。サンモールを、ずっと広島に残してください。どうか、お願いします。」

 

最後の方は姉からの受け売りです。彼女は本気で、サンモールのために頑張れる大人になると言っていて良いなと思いました。

 

今日のできごと:姉がサンモールで誕プレを買ってくれた

今聴いている曲:お嫁においで/加山雄三